建築家・不動産屋さんに相談

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木造の構法にもいろいろありますが、長所、短所を教えて下さい。(2008-07-14)

現在、木造で家を建てようと思っています。木造の構造と言いますと、木造軸組構法、ツーバイフォー、その他にもいろいろあるみたいですが、それぞれの長所、短所を教えていただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。

| S.H | 41歳 | 男 |



「質問にお答えします!」

在来工法と呼ばれる木造軸組構法は、その名のとおり日本古来の木造建築の工法で、柱と梁が建物の主要な構造となります。現在でも、日本の木造住宅で最も広く用いられている工法です。

ツーバイフォー(2×4)工法は、2インチ×4インチをはじめとする断面寸法が規格化された板状の木材を、構造用合板でサンドイッチしてつくられる、壁と床の面全体が構造となる工法です。壁と床で一体の面となって建物を支えるため、在来構法に比べ、間取り、部屋の大きさ、窓や吹抜の位置と大きさ等、より制限を受けます。また、そのため、将来、壁を取り払ったり、窓を大きくしたりといった大規模なリフォームもできません。

在来構法と2×4工法を比較した場合、開放的な間取りと将来のリフォームに柔軟に対応できることが、在来構法の最大の長所だと思います。
2×4工法は、材料だけでなく、作業も在来工法に比べてより単純化・システム化されているため、建設に高度な技術をもった職人を必要とせず、期間も短縮されるため、建築費をより抑えることができます。2×4工法の一番の長所だと、私は思っています。

また、都心などで3階建ての住宅を建てる際に耐火建築物としなければならない場合がありますが、2×4工法には3階建ての耐火建築物を可能にする認定工法があります。木造で建設できるということは、鉄鋼で建設しなければならないことに比べると、建設費を抑えることにとても効果的です。

阪神・淡路大震災以来、2×4工法が在来工法よりも耐震性にすぐれていると言われることがあります。在来工法の建物に被害が多かったのは事実ですが、必ずしも正しい言い方ではないと私は思っています。2×4工法の住宅では、必然的に、壁の量が多く、配置のバランスの良い間取りとなりますが、材来工法でも、同じ間取りで筋交いなどが正しく入っていれば、どちらが強い、弱いということはないと私は考えています。
震災以降、建築基準法改正や耐震問題に対する関心の高まりによって、一般の工務店が建設する在来工法の住宅においても、バランスのよい壁の配置や、構造部材の接合部に用いる金物の強度及び正しい使用方法など、耐震性を担保する建築部材、知識、法規制は向上しています。

いずれにしろ、これからは2階建て程度の木造住宅であっても、設計士に構造設計も含めて設計監理を依頼し、工事が終わった後も、設計図書と工事監理記録を大切に保管しておくことが一番だと私は考えています。そうしたものが、住宅の資産価値を大きく左右する時代となっています。

他には、SE構法など、小さな木材を接着剤で張り合わせて人工的につくった木材(=集成材)を用いる工法があります。自然の木材に比べて、強度のバラツキと、そりなどの狂いが圧倒的に少ないのが長所です。鉄骨と同じような設計の自由度を得ら、鉄骨と違い、柱や梁を露出した場合、木のあたたかみがあること、ヒートブリッジの心配がないことが長所です。在来工法や2×4に比べて、建築費は高くなります。



地下室をつくるために、地盤をチェックしたい(2008-04-09)

家をつくる際に、地下室を作って、そこをホームシアターにしたいのですが、掘ってみたら地下水が出たというような話を聞いたことがあります。土地を見る段階で、こうした問題が無い土地か、判断することは可能なのでしょうか。地下室を作る際に、土地を見る上で気をつけることがありましたら教えて下さい。

| T.U | 39歳 | 男 |



「質問にお答えします!」

一番簡単な方法は、土地の地理・地形を見る事です。川の近くや谷地など、雨水が集まりやすい場所は、当然、水が出やすいで、注意が必要です。逆に、高台など、地形的に水はけの良い場所は、心配が少ないです。ダメモトで、役所の建築指導課に行って、近隣の状況を尋ねてみても、良いと思います。建築指導課には、建築確認申請に添付された地盤調査の記録が保存されているので、自分が調べたい土地の近くのデータがあれば、近隣の地盤の状況がどういうものか、調べることができます。

地下水のデータはほとんどないと思いますが、周辺の工事事例から、その地域の状況で役所の方が認識していることを、教えてもらうことはできると思います。ただし、上記の二つの方法では、確実なことは分かりません。確実にその土地の地盤や地下水の状態を知るには、地盤調査を行わなければなりません。購入したい土地が更地の状態ならば、売り主に許可をもらって、地盤調査をする事をおすすめします。

地盤調査の結果があれば、その後の設計もより間違いのないものになり、地盤調査資料を設計図面と一緒に保存しておけば、家や土地の資産価値を高めることにもつながると思います。

費用は、住宅を建てるための調査なら、だいたい20〜30万円といったところですが、新築する家の構造や地下の有無などで、適切な調査方法が変わってくるので、建築家や設計士などに相談にして、適切な調査方法を指示してもらうと良いでしょう。簡単な相談には、無料で応じてもらうことができるので、気軽に尋ねてみてください。どこに尋ねてよいか心当たりのない方は、地域の建築家協会や建築士会などに問い合わせると良いでしょう。



ローン返済について(2008-01-29)

住宅ローンで、一戸建ての自宅を建てようとしています。 賃貸ルームを付け加えて、家賃収入を得、 ローン返済を楽にできないかと思っているのですが、どうでしょうか?

| 匿名希望 | 35歳 | 男 |



「質問にお答えします!」

住宅ローンは、一般的に、建物床面積全体の50%以内であれば、賃貸ルームなど、事業に使用する用途をあわせた住宅でも、融資を受けることができます。自宅に付属したものに限るとは言え、賃貸住宅事業という不動産投資のための資金調達と捉えた場合、住宅ローンは、金利などの条件が有利で、返済期間も長期が可能、そして審査基準も比較的ゆるく、資産などを持たない普通の会社員が不動産投資をするのに、千歳一隅の機会と言えるかもしれません。

ただし、賃貸ルームが付属した住宅でも、住宅ローンの融資の可能額は、専用住宅に対するローンと全く同様に、それまでの年収によって決まります。賃貸部分から得られる家賃収入を考慮して、より多くの融資が受けられるということはありません。土地を探して、そこに建物を新築したいと考えている方は、パートナーとなる設計者を先に見つけて、相談しながら土地を探すことをおすすめします。

土地選びのポイントをひとつあげると、容積率(=土地の面積に対して建築可能な建物延床面積の割合)ができるだけ大きい土地を選ぶことです。容積率200%以上の土地が良いと思います。容積率は、用途地域に応じて決まっていますが、それとは別に、土地の前面道路の幅に応じて、地域で定められた基準よりも、容積率が小さくなる場合があるので、注意が必要です。

また、専用住宅を建てる場合は、幅4m以上の道路に敷地が2m以上接していれば建築することができても、集合住宅の場合、敷地が道路に4m以上接していないと許可されないなど、地域によっては厳しい規制があったりします。規制に関する詳細は、1級建築士に確認してもらう方が、間違いがありません。

新築にこだわらない方は、中古のアパートを1棟まるごと手に入れて、自分で使う部分は必要に応じて改装し、残りを賃貸にするという手もあります。この場合も、住宅ローンで購入することは可能です。

住宅ローンで建てるということは、最初に述べたとおり、それまでの収入で返済可能な額しか融資を受けらないので、仮に家賃収入が得られなかったとしても、ローンの返済ができなくなるようなことにはならないはずですが、賃貸を加えた方が得かどうか、事業収支は検討してください。簡単な方法をお教えします。

自分が希望している構造や仕様の建物の坪あたりの建築費がいくらぐらいか、設計事務所に尋ねるなどして、調べてください。一般的には都心部で、70万〜90万/坪です。
70万/坪=21万/u。

次に、周辺の家賃相場を、インターネットなどで調べて、客観的にこれくらいという家賃を設定し、uあたりの家賃単価を計算します。25uの部屋で7万円と設定した場合は、uあたりの年間家賃は7万円÷25=2,800円×12ヶ月=33,600円。投資金額が21万/uに対して、年利益が3.36万円なので、単純表面利回りを計算すると、3.36万/21万=16%。6年3ヶ月で、賃貸部分の建設費のモトがとれる計算です。事業収支の判断は、安全をみて、相場の家賃収入の80%以下で計算することをお勧めします。

3.36万円×0.8=2.69万円
21万/2.69万=7.8年 でモトがとれる。

10年以内にモトがとれる計算なら、賃貸ルームを加えることを、積極的に考えてよいと思います。「周辺の家賃相場から2割安い家賃で、かつ築10年以内なら、よほどのことがなければ、空室にはならない」という考え方による判断です。

日本では、専用住宅を手に入れるために多額の借金が発生することには抵抗がありませんが、資本家でない人が、不動産で収益をあげることには、それが例え小規模でも抵抗を感じる人が多いように思います。が、同じ額で手に入るのなら、小額でも、収益をもたらす不動産の方が、より手堅い考え方ですよね。

大切なのは、住宅産業の提示する、お仕着せの住宅観を鵜呑みにせず、自分の価値観で、考えることだと思います。せっかく芽生えた「自宅に賃貸ルームを加えて、家賃収入が得られないか?」という発想を、大切に育て、ふくらませてやってください。ただしお金の計算だけで、マイホームに何のこだわりも、イメージも持たない人には、答えが見つけにくいと思います。正解が、一つではないので。