LiVES House Gallery
My Time& My Home
住む人のライフスタイルを
鮮明にする住まいづくり
K邸 愛知県名古屋市
〈設計・施工〉クラシスホーム
外出自粛要請などの影響もあり、在宅時間が増えたことで改めて見直されているのが、家の中での家族のほどよい距離感と、一人ひとりの個の時間を過ごす場所の大切さ。それぞれの家族の心地よい〝スタンス〟をデザインするクラシスホームの住まいづくりを紹介します。
Kさんは、大学生になる息子のH君と二人暮らし。「将来は、息子に残せる家を」という思いから住まい購入を考えはじめたという。
同居する犬と猫4匹の騒音などを考慮すると、マンション暮らしは難しい。不動産関係の親戚が、勤め先にも近い手ごろな土地を名古屋市内に見つけてくれたこともあり、プランニングが自由でコンパクトな敷地を活かしてくれる注文住宅の住まいづくりを目指すことに。Kさんは後に住まいづくりのパートナーとになるクラシスホームと、よく名前を耳にしていた工務店の二軒に相談したという。
「ステンドグラスの制作が趣味なのですが、ガラスの破片が出て危ないので、ペットが入れない個室にしたかったんです。読書好きの息子からはたくさんの本棚を、という希望もありました。敷地の面積を考え、三階建てを希望しましたが…」
工務店から提出されたのは二階建てのプラン。コストを抑えることを前提に、必要な要素を凝縮した自信作だったというが、図面を見たKさんには、自分たちが生活しているイメージが湧かなかったという。 一方のクラシスホームは二階がリビング、一階に寝室とKさんのアトリエ、三階をH君の部屋に当てたプランだった。担当したコーディネーターは
「最初からコストありきで全体のスケールを狭めていくのではなく、こう住まいたいというお話を伺いながら、実現できる方法を一緒に模索していくのが、私たちのスタンス。そこが苦しくも一番楽しい部分でもあります」
数多くの住宅を手掛け、豊富な経験値をもつクラシスホーム。デザインから細部の仕上げに至るまで、コストとのバランスを計りながら要望を形にしていく柔軟性が強みだ。
1階はプライバシーに考慮して開口部を減らすなど、設計段階で〝集中できるアトリエ〟の要素が強まっていった。寝室との間は壁で仕切らず、特注の中窓で見渡せるように。
「時間をかけて、漠然としたイメージが形になるように誘導してくれました。おかげで最初は白い壁の予定をグレイにするなど思い切った判断もできて、空間に自分らしさが出せたと思います」(Kさん)
3階のH君の部屋は、造作された書棚に蔵書がずらりと並ぶ。ここは読書に没頭すると同時に、大切な本や漫画を飾るライブラリでもある 。
住み始めて一年半ほどが経った今。自作したライトや、この家に合わせて集めたインテリアから、Kさんが〝暮らしをつくること〟を楽しんでいるのが伝わってくる。
「アトリエに何時間も篭ることも。好きなものに囲まれた暮らしが実現できています」(Kさん)
家族いっしょに過ごす時間も、それぞれの個の時間も大切に。じっくりとライフスタイルを引き出すプランニングが、3階建ての住まいに、心地よいメリハリをもたらした。
DATA
〈敷地面積〉95.01㎡〈建築面積〉41.07㎡〈建築面積〉1階 41.07㎡、2階 44.25㎡、3階 20.38㎡ 合計105.70㎡〈主要構造〉木造軸組構造(ストロングストラクチャー構造) 〈竣工〉2018 年12月 〈設計期間〉3ヶ月 〈工事期間〉6ヶ月〈施工〉クラシスホーム 〈総工費〉2,060万円(税別、設計料込)
text_Jun Manabe
photograph_ Takuya Furusue
クラシスホームモデルルーム
緑店・春日井店・豊田・津島・岡崎・半田・一宮
●インテリアショップARBO(豊田市秋葉町)
●ボダニカルショップarbo(春日井市西山町)
クラシスホーム株式会社
ウェブサイト: https://www.clasishome.jp